離婚制度について

離婚は結婚に比べてかなりのパワーが必要になると言います。一度生涯を誓い合った2人が別れるのですから当然かもしれませんが、親権や財産、慰謝料などの権利義務も関わるため、制度上も結婚に比べて複雑なものになっています。

離婚制度のしくみ

民法には互いに合意して届け出る協議離婚をはじめ、調停離婚審判離婚裁判離婚といった離婚制度が定められていますが、話し合いによる協議離婚がほとんどです。

協議離婚
離婚のような家庭内の問題については、できるだけ当事者の判断にまかせるのが日本の法律です。
そのため、両者が話し合い納得したうえで離婚届を提出すれば、どんな理由であっても離婚は成立します。離婚全体の9割がこの協議離婚です。
調停離婚
夫婦のどちらかが離婚したくない場合や、慰謝料などの金銭や親権などの条件でもめてしまった場合でも、すぐに「裁判」とはなりません。まずは家庭裁判所に離婚の「調停」を申し立てなければなりません。
ここでは裁判所の調停委員が双方の意見を聞きます。何度かの調停の結果、離婚を合意して条件もまとまると、調停調書を作成して調停成立となります。この調書には裁判の判決と同様の効果があり、調停成立から10日以内に離婚届を提出して離婚成立です。
審判離婚
調停で話がまとまらなかった場合でも、家庭裁判所の判断で離婚の審判を下す場合があります。この審判による離婚を審判離婚と言います。
しかし、審判の結果に納得できなければ不服申し立てて、訴訟を起こすことができます。
裁判離婚
いきなり裁判はできず、まずは上記の調停をしなければなりません。調停でも話がまとまらず、裁判所の審判にも納得がいかないという場合は、裁判を起こして離婚の請求をすることになります。
離婚裁判を起こすには民法で定められた理由(法定離婚事由)が必要です。それは「不貞行為」「悪意の遺棄」「3年以上の生死不明」「強度の精神病」「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」の5つがあります。
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財産分与と慰謝料

離婚によって支払われる金銭には財産分与慰謝料、子供がいる場合の養育費があります。
しかし、財産分与は離婚時から2年以内、慰謝料は離婚時から3年以内に請求しなければなりません。
財産が処分されてしまうおそれもあるので、早めの対応が必要です。

財産分与

夫婦のどちらに原因があろうと、結婚していた間に得た共有の財産は清算しなればなりません。
夫のみに収入があり妻が専業主婦だった場合でも、夫の収入は妻の協力があって得られたものという考え方により清算が必要になります。

財産分与の対象となる財産
清算の対象となるものは預貯金・不動産・有価証券・退職金・保険金などです。結婚前にためていた預貯金や嫁入り道具、相続した財産などは対象にはなりません。
不動産についてはどちらかが不動産を所有し、相手に現金を支払うという場合が多いですが、高額になるため負担も大きくなります。また、ローンの残っている不動産を取得し、相手がローンを支払うような場合は、未払いなどに備えて離婚協議書を公正証書にするなどの対応が必要です。

慰謝料

財産分与では離婚原因をつくった側の責任は問われていません。
慰謝料は不貞や暴力などの離婚原因をつくった側が精神的苦痛を受けた相手に対して支払う損害賠償です。ですから「性格の不一致」のような理由では慰謝料は発生しません。

慰謝料の金額
慰謝料は精神的苦痛に対するものなので明確な基準はありません。精神的苦痛の度合いや支払う側の資力、婚姻期間などを総合的に考慮して話し合います。慰謝料も夫婦の共有財産から支払うことになるので、実際は財産分与とあわせて協議する場合が多いです。
また、損害をこうむった側にも原因がある場合は過失相殺して慰謝料を決めることになります。
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親権と養育費

未成年の子供がいる場合、夫婦のどちらが親権者となるか決めなければ離婚届は受理されません。また、子供の養育費や親権者でなくなる側が子供に会ったり連絡を取ったりする面接交渉権について決めておく必要があります。

親権

親権には子供のしつけ、教育をする身上監護権と、子供の財産を管理したり、契約などの法的行為をする財産管理権があります。この親権を持つ者が親権者です。
親権者が決められない場合は、調停や審判、裁判で決めることになりますが、親権は子供を守るための制度であることを忘れてはいけません。

監護者
親権者とは別に監護者というものを定めることができます。上記の身上監護権と財産管理権の2つを分けて考え、身上監護権を監護者が、財産管理権を親権者が行使するというものです。親権はなくても、監護者として子供を引き取って育てることも可能になります。

養育費

夫婦は離婚して他人になっても、親として子供を扶養する義務は変わりません。養育費は子供が生活してゆくための費用です。親権者は子供に代わって相手に請求しているのであって、養育費は親権者自身のものではありません。金額は双方の経済力等を考慮し、話し合って決定します。

養育費の不払い
養育費は月払いが一般的ですが、長期間にわたることもあり不払いとなることも多いのが現状です。
月々の額は多くなくても経済的に影響を受けることになります。養育費が決まったら公正証書を作成することで相手の給料などを差押えるといった効力を持たせることができます。
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離婚協議と離婚協議書の作成

離婚の協議をする場合は、あらかじめ話し合いたいことをまとめておくと良いでしょう。特に子供のことや財産分与、慰謝料などのお金のことついての話になりますので、自分なりの案を考えてみるのもよいでしょう。夫婦の話し合いですので、相手の意見も聞く姿勢が必要です。できればある程度の妥協点までイメージしておきたいものです。

離婚協議書の作成

離婚協議により互いに合意することができたら離婚協議書を作成します。子供のことやお金のことなど離婚後トラブルのもとになりそうな問題について、あらかじめ書面にして残しておくことが大切です。
さらに、この協議書を公正証書という公文書にすることも可能です。公正証書とは公証人が作成する公文書で一般の文書より強い法的効力があります。そのため、養育費の不払い時に給与などを差押えるといった効力を持たせることができます。  公正証書についてはこちら

当事務所では離婚協議書の作成および公正証書作成手続きの代理を承っております。

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